学校に到着
学校に到着すると担任の先生が出入口まで迎えに来てくださいました。
そして、用意された部屋に入ると、そこには学年主任、相手の子の担任。
相手のご家族は到着していませんでしたが、担任の先生が口をひらき、「実は本日次女ちゃんに話したいことがあったら学校に来て良いよ、と伝えていたんです。」と告げられました。
その時点で、次女ちゃんが長女ちゃんに伝えた内容と、ニュアンスが異なりました。
先生は次女ちゃんに、(次女ちゃんが)話したいことがあるなら学校に来て良い、と。
長女ちゃんから聞いた次女ちゃんの主張は、先生に呼ばれて学校に行った、と。
両者共に、あくまで主体性は相手に。
先生たちは学校を、そして自分たちの立場を守ろうとするでしょうが、正直次女ちゃんの言っていることも真実かはわからない。
ただ、真実としてこの話し合いの前に、担任の先生と次女ちゃんは話しをしていて、その内容が親である彼と私に伝わっていないということ。
それが全てな気がしました。
次女ちゃんは親よりも先生を信用している。
信用という言葉も違うのかもしれません。
私には、次女ちゃんがその時その時で、自分に耳障りの良い声をかけてくれる人のところになびいているだけのように思いました。
そして、きっと先生は保身のために次女ちゃんを自分たち学校に火の粉が来ないようにしようとしているのではないか。
それに気づかずにほいほいとついて行って、そのままうまく言いくるめられた次女ちゃんがこれから何を話すのか。
もう何もわからないな。
黙って先生の話を聞いていました。
そして、「本日も学校で双方の意見を確認したんですが、お互い主張は変わらず・・・正直、今日の会も進展は何もないと思います。」と。
・・・。
それはわかりきったことでは?
それを何かしらの方向に無理やりにでも進めるための会ではないのだろうか?
そのために先生たちは関係者から話しを聞いて、何かしらの方向性くらいは決めていたのかと勝手に過度な期待をしていました。
学校としては次女ちゃんの要望に応えてこんな会をしっかり開きました。
その記録を残しておきたかったのだと思います。
そして、しばらく待って、相手の子とお父様が到着しました。
相手の保護者はお父様だけなんだな・・・
もしかしたらその子にも下の兄弟がいるかもしれないし、これといってひっかかることではないのですが、それでも、こちらが彼と私2人、時間前に出向いているのに対し、相手方は時間を少し過ぎてお父様と2人で到着。
恰好も、ついさっきまで遊んでいたのかな?というホコリまみれのウェアー姿で登場しました。
きっと、相手の子からしたらこの会は取るに足らない会で、一応参加して、さっさとすませたかったのだと思います。
そして、相手の子の雰囲気を見ての私の印象。
普通にクラスでやんちゃをしてそうな、ルックスの子。
次女ちゃんとその子が対等に話しをしている姿は、正直想像できませんでした。
そんなことを考えていると、学年主任の先生が口を開きました。
「本日はお時間をいただきましてありがとうございます。学校の放課後の校庭で起きた賭け事件について、親御さんにも出向いてもらって確認をとりたいと思います。お時間は30分程度で修了するかと見込んでおります。」
?
双方主張が食い違っているのに30分で何か結論が出るということか?それとも、次回の日取りを決めてこの会は続くということか・・・
正直何のために集められたのか、これからこの会で何をするのか、そこに集まった皆の考えが全くわかりませんでした。
保護者の前での事実確認
学年主任の先生を司会に、各担任の先生から、それぞれの子が主張している内容が告げられ、次女ちゃんと相手の子に確認が入りました。
先生:「〇〇くんは、賭けは次女ちゃんがはじめたと言ってるよね?」
相手の子:「はい。」
先生:「次女ちゃんは相手の子がはじめたと言っているよね?」
次女ちゃん:「はい。」
先生:「それでは次女ちゃんから今日話したい内容とか、自分の想いとか伝えてくれるかな?」
次女ちゃん:「・・・」
明らかに何を話すべきか戸惑っている次女ちゃん。
予想通りの展開に重たい空気が教室を包みました。
しばらくすると、沈黙に耐えかねた先生が「どういう状況で賭けがはじまったとか、その時誰がいてどう誘ったとか、それで、まぁここが一番大きい問題なんだけれど、2人の意見が違っているけれど、それについてどう思うかとか。」
すると次女ちゃんは、うつむきながらも当時の状況を説明し、最後に、事実と違うことを言っているので相手の子にそれを認めて謝ってほしいと言いました。
その場に集まった皆が求めているものは真実。
しかし、次女ちゃんの求めているものは次女ちゃんの真実と、それに対する相手の子からの謝罪。
次女ちゃんが真実と言っているのはあくまで次女ちゃんの中での真実であって、そこについて関係者の同意もなく、むしろそれが真っ向から違うと言われているのにも関わらず、相手の子に自分の事実に基づき、嘘をついたことを認めて謝罪をしろと。
もしかしたらそれが真実なのかもしれませんが、話しの持っていきかたも強引で、その場の皆が微妙な空気で固まっていました。
次女ちゃん:「〇〇さんはそもそも誘ったのは私って言ってるよね。それは確かに私だった。でも、賭けを始めたのは〇〇さんだよね。だから真実を話して謝って?」
相手の子:「遊びを誘ってきたのも、賭けに誘ってきたのも次女さんでしょう。謝ることはないです。誘ってきたっていうのも後で意見変えたんだから、賭けを始めたのも意見変わるんじゃないの?そっちこそ本当のこと言ってるの?」
そうなるよな・・・。
次女ちゃん:「でも、本当に私から賭けようって言ったとしたら、〇〇さんが一度受け取らなかったプリンをわざわざまたあげに行くっていうのは変だと思うんだけど、それについてはどうかな。」
プリンを賭けた際に、次女ちゃんの主張では、相手の子にプリンと言われて、バドミントンに負けたので、次女ちゃんがコンビニへプリンを買いに行って戻ってきました。
その際、周りの子たちが「本当に買ってきた!」と驚き、それで冗談だったんだ、と本人も感じつつもプリンをあげようとして、一度、受け取りを拒否され、それでも強引にプリンを渡したのでした。
正直、クラスの階層も違う、話した事もない子から急に遊びに誘われ、断っても断っても誘ってくる。
そして、勝手に賭けを持ち出してきて、適当に一度遊んであげて落ち着いたかなと思ったら、賭けをしたからとお菓子を強引に渡してくる・・・
そんな子、関わりたくないよな。
私が相手の子だったとして、関わりたくない。
しかし、明らかに変わっている子。
変に刺激もしたくないので、なんだかよくわからないけれど強引に渡されているプリン、一応受け取っておくか。
そんな気持ちだったんじゃないかな、と感じました。
もちろん、お菓子やプリンをタダで手に入れられてラッキーと思ったかもしれません。
それでも、次女ちゃんと相手の子のやり取りを聞いて、相手の子が気の毒に感じはじめてしまった私。
そして話は次女ちゃんの不思議な主張と、それをきっぱりと否定し続ける相手の子のやり取りが続きました。
きっと相手の子もお菓子をもらってしまっているし、もしかしたら要求もしてしまったし、まずいと思ったのだと思います、でもその分しっかりと保身にまわっていて、拒否するところは拒否。それ以外はそんなことは覚えていない。の繰り返し。
そのうちに次女ちゃんの不思議ワールドがどんどん展開されて・・・
やっと途中で先生が間に入り、次女ちゃんに質問をする形にしてくれましたが、自分の主張を好きにする、という方法でないと途端に混乱する次女ちゃん。
動揺が大きくなり、先生との受け答えも意味不明になっていました。
時に、「はじめ私は誘ってきたのは〇〇さんと言っていたけれど、後で自分だと気づいた。だから、〇〇さんも謝りを認めるべきだと思う!」など、謎な理論を強気で発言。
終始、彼は黙って相手の子を見つめているまま固まっていたので、見かねた私がそこらへんから間に入りました。
先生の質問をかみ砕いて説明したり、さっきの発言だと次女ちゃんは自分の非を認めたり、自分には他にも何か悪いところがあるかもって言うのを伝えてることになっちゃうけれど、合ってる・・・?など。
相手の子も、お父様も、先生たちもいる前で次女ちゃんにそんな説明をするなんてもう意味がわからない。
勝ち負けとか、戦略ではないけれど、こうならないように事前に同じサイドとして何を主張したいか、もちろん小学生という年齢で、うまく事が運べないかもしれないけれど、そういった事前準備をするべきだったでしょう・・・。
次女ちゃんに言いたいことはたくさんありました。
でも、きっと何も響かない。
そうしてもうぐだぐだのこの会、私の介入もむなしく、先生が無理やりまとめに入り、相手の子に「どうだったかな?言いたいことは言えた?聞けた?これで十分かな?」
すると相手の子は「はい。十分です。これ以上はいらないです。」と。
次に次女ちゃんに同じ質問がされると、
「言いたいことはだいたい言えた気がするんだけれど・・・真実も聞けなかったし、謝ってももらえなかったし、だから聞きたいことは聞けてないです。でも今日はもう時間も遅くなってお集まり頂いた皆さんにとても迷惑だと思うので、また他の日に続きをやってもらって良いですか。」と。
そして、次女ちゃんとしてはその子と元通りに仲良くなりたいとのことでした。
次女ちゃんは褒めてもらいたくて、年不相応に気が利くアピールをすることがあります。
先ほどの話し方もいつも通り。
話し合いでの主張はめちゃめちゃでしたが、集まってくれた大人たちに感謝を示して、相手の子よりもそんなところにも気が利く自分、をアピールしたかったのだと思います。
しかし、そもそもそう思うならこんな会を開かないで。
事前にまず彼と私に説明は?
これをまたやるの?
そしてこれだけの場に相手の子もひきずりだしておいて、相手の子がまだ自分と話したいと思っているのか。
その場のみんな無言。
学年主任の先生が適当に話しをまとめ、相手のご家族が教室を後にしました。
強制終了となる少し前に、「相手の子に質問を少し良いですか。」と、ずっとだんまりだった彼から発言があり、いくつか質問をしていました。
しかし、小学校6年生に大人の圧での質問、さすがに3問目程度で、相手のお父様が「これって尋問じゃないですか?子供同士の話と聞いていたので来ましたが、これは違うと思います。」と。
逆サイドながら、相手のお父様がまともな方で良かったと思いました。
次女ちゃんの援護だったり、味方、という風は一切なかったですが、彼として単純に真実を求めていました。
しかし、彼も少なからず平静を保てていない。
相手のお父様が同等の勢いで更にかぶさってきて喧嘩、という最悪の事態は逃れられ、相手のお父様の対応に感謝しました。
残ったこちらの担任の先生と彼と次女ちゃんと私。
先生が、「こういった会をもう1回というのは・・・」と言いかけると、
彼が「難しいでしょうね。というか無意味ですね。」と。
そこで次女ちゃんはうつむき、誰とも目が合わなくなりました。







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