お客様対応
まだ彼と私がお付き合いをしていて、しかし家族として一緒に暮らすことを目標としていた頃です。
「今はどうしても来てもらっているお客様と思っちゃうからそんな扱いをしちゃうけど、一緒に住んだら変わるよ。」
と彼から言われました。
それがどんな意図の発言なのかわからず、彼に確認すると、
「今は思っていても、指摘していないことはある。でも、家族になったらやはり家族のルールというか、ちゃんとしてほしいことは子がめに伝えていくよ。」
正直、寝耳に水でした。
今まで、彼と子がめのやり取りをみていて、彼が子がめにそんな思いがあったなんて微塵も感じていなかった私。
子がめが多少わがままを言っても、イヤイヤを出しても、表情を変えることもなく、声をあらげることもなく、辛抱強く穏やかに笑顔で対応してくれていた彼。
私としても、子がめの言動に何一つ間違ったところが無いと思っていたわけではないのです。
基本的には3歳という年齢の要因が大きいと思いつつ、それでも、度を越したと感じれば彼の前でも子がめを諭していましたが、そんな私たちの姿も穏やかに見守ってくれていた彼。
私はそんな子がめと私を、彼がそのまま受け入れてくれたと思っていたのです。
しかし、彼の中では違っていました。
これも、完全な性格の違いだとは思います。
基本的に私は何かあった場合に、その早い時点ですぐにそれを相手に伝える派な私。
あなたはこうみたいだけれど、私はこう思っている、という異なる考えであることをしっかりと伝えた上で、お互いに歩み寄るように努力するのか、厳しいからと離れるのか、判断したいのです。
彼と出会って、思うところはあるけれど、それを一人抱えて、一緒にいる人がいるということをはじめて知りました。
会社の付き合いとかならばその付き合い方もわかるけれど、生涯を共にするパートナーに思ったことを言わないの?
正直かなり衝撃でした。
そして、私としては今それを言う?と思ったのが正直なところでした。
もっと早く言ってくれていれば、お互い、子供たちがこんなに関係性を築く前に違う方法や違う進め方を選んでいたかもしれないのに。
しかし、その時既に、私からみて子がめは彼と良好な関係を築けており、後戻りはできないと思っていました。
彼がそう思っていることを知ってしまった以上、それに子がめをアジャストできるようにしていかないと・・・それが私の課題になりました。
彼の家のルールへ順応させようとする母に、子がめの戸惑い
具体的にどんな点が指摘対象になるのか、彼に確認しました。
- 食事はしっかり集中して食べること
- 車のシートを蹴らないこと
一つ目の、食事に関しては、彼がかなり重きを置いているようでした。
確かに、私とのデートでも、子がめも連れて3人でのおでかけでも、食べるものにこだわる彼。
食事に強い思いがあるのは感じていましたが、相手は3歳児。
同年代のお友達とご飯に行っても、最初から最後まで集中して食べ続ける子は私が知る限りはいません。
稀にご飯に執着している子もいますが、だとしても途中でふと何かに気を取られたり・・・。
しかし、彼の主張では、彼の2人の娘ちゃんは子がめの年齢の頃、食事はきちんと集中し、途中で席を立つなんてこともなければ、ましてはふらふらを遊びに行くことも一切なかったと。
正直、そんな子なんているの?と思ってしまいました。
思い出は美化されるし、それに彼は娘ちゃんたちが子がめの年齢の頃、前職で今とは働き方が違って、ほとんど娘ちゃんたちと過ごせなかったと聞いている。
それなのになぜ食事についてそんなに断言できるのか。
子がめはほとんど食事に興味を示さないので、その度を越した様子が気になったのかもしれないです。
しかし、そんなに子がめを普通じゃないみたいに言って、娘ちゃんたちがスタンダード、なんて言い方しなくても良いじゃない。
きっと娘ちゃんたちも完璧なんてことはなくて、比較した場合にという話。
色々思うことはありましたが、確かに子がめにご飯をどうにか食べてもらいたくて、食事中にひたすら子がめを追いかけたり、自分で食べられるようになっても完全に食べさせている私。
以前に何かで、
大人だってできるからって会社でもおうちでも同じ様に過ごさないでしょう?
おうちはほっとできる、息を抜く場所です。
子供も同じ。
普段、あなたたちが会社で気を張って頑張っているように、子供たちも幼稚園や保育園で頑張っているから園ではできる。
でも、おうちに帰って大好きなママやパパの前で、甘えてくる子供を甘やかして息を抜かせてあげるのも親の役目。
と目にしました。
基本的にシングルマザーの私は、子がめに対して負い目があります。
人は自分に都合の良い情報を集めるもので、そんな類の情報を目にしては、自分は間違っていない。これも子がめには必要なこと。と言い聞かせてきました。
今、彼に言われているのは彼の娘ちゃんたちへの対応を考えると、少し理不尽に思える。
しかし、長い目で見たら・・・?
子がめには父親ができて、その父親は教育熱心で、子がめが自立できるように導こうとしてくれている。
自立も大切なことだし、当然、学んでほしいと思っていました。
考えを変換して、これも子がめのためと、それからというもの、実家のじじばばにも協力してもらってご飯中の態度を家族全員で改めることにしました。
そしてもう一つの、車のシートを蹴らないこと。
これも、正直びっくりしました。
子がめと彼と3人でおでかけをしていた時に、子がめが何度か彼の乗る運転席のシートを蹴ってしまった時のこと。
実家の車では身長が小さくシートに足が届かなかった子がめでしたが、彼の車が実家の車よりも少し小さいため、足が届いてしまい、それがおもしろかったのかトントンとして嬉しそうにしていました。
私も止めるように子がめに促し、そして、もしもまた当たってしまったらと靴を脱がせました。
しかし、その時彼は「脱いだり履かせたり大変だろうし、脱がせなくて良いよ。」と。
ちょっと、と思っていたのならば、その発言は相手を誤解させるじゃない・・・。
そんな思いがありましたが、こちらも、考えれば子がめのため。
どちらも、その年齢がくれば自然とできるようになる、理解してやめるようになると思い、甘やかしたり、自分が笑顔でできる育児に逃げていた私でしたが、これを機に改めることにしました。
当然ですが、子がめは戸惑いました。
それももちろん想定はしていました。
今まで食べさせて!と言えば食べさせてもらえていたのに、自分で食べてみな?と言われる。
遊んでいれば、追いかけてきて食べさせてくれていたのに、追いかけてくれない。
車のシートもトントンが終わるまで出発できない。
一気に進めすぎていたのは確かです。
きっと子がめにとって、今までさんざん甘やかしてきたのに、手のひらを返したようにやり方を変えた私。
もちろん、私も胸が痛まなかったわけではないですが、その時もはや彼の家族と一緒になるという目標があって、それは早ければ4、5ヵ月後・・・彼の家のルールになじめないままに一緒に暮らし始めたら、それこそ子がめがかわいそうと思っていました。
(その時、一緒に住むスタートの時期を変えられなかったのは、やはり子供が3人いたから。)
みんなのベストを考えて、その時期を設定していましたが、私は子がめの母。
子がめのコンディションをみて見送る勇気が必要でした。
不平等
彼の家のルールに従おうと努力していた私。
そして、それに付き合わされていた子がめ。
もちろん、一方的ということはなく、私は私で、子がめの生活リズムは基本的には守りたいので、ご飯の時間やお風呂の時間、眠る時間等は協力してほしいと伝え、彼の家族もそれに答えてくれていました。
しかし、これもつめが甘かったとは思います。
お付き合い期の週末では、子がめの寝る時間になると、一旦娘ちゃんたちも自室に戻り、静かに過ごしてくれていました。
しかし、家族としての生活をはじめると、子がめがおやすみの挨拶をしに行った時にリビングで彼、娘ちゃん2人でテレビをみはじめたり・・・。
なぜそのタイミング?何かの当てつけなのか?それとも彼は本当に3歳児の子育ての経験が無いだけなのか?
私の中でモヤモヤはありましたが、そんな母の気持ちを知ってか、子がめが、「眠る時間だから子がめはテレビみちゃだめだもんね?」と言って自ら眠る準備をしてくれたので、彼の家族にそのモヤモヤを伝えることはありませんでした。

今考えると、子がめは彼の家族ルールにあわせようと一生懸命な母を気遣ってくれていたのだと思います。
子供に気を遣わせる、だめだめな母。
しかしある時、彼、次女ちゃん、子がめ、私でスーパーに買出しに行くと、子がめがお惣菜のフィッシュアンドチップスを買ってと彼にせがみました。
「良いけど、しっかり食べるんだよ。」と彼。
夕食の時間になり、フィッシュアンドチップスを食べ始めた子がめでしたが、そのお魚はいわゆる売り物にならなかった端切れの部分が使われており、骨がありました。
それで子がめは「これは違う・・・」と。
結局、少し食べて、残す形に。
せっかく彼が買ってくれたし、私が食べなきゃだよな、と私が頑張って最後まで食べましたが、残飯処理はそれぞれの子供のものをそれぞれの親がという風になっていたその頃。
じっかり残飯処理を私がしているにも関わらず、彼が子がめに「欲しいって言ったから買ってあげたのに食べないのはなんで?」と。
子がめ:「骨があったから。」
彼:「でも、自分が欲しくてそれを選んだなら食べようよ。」
その時私にはある光景が浮かんでいました。
家族メンバーみんなで外食に行った時のこと。
長女ちゃんがたくさん食べたいと、パスタを選んで大盛に変更しました。
それを見て、ずるいと次女ちゃんも、自分の選んだパスタを大盛りに。
しかし、次女ちゃんが選んだパスタは、実は辛いもので、辛いものが食べられない次女ちゃん。
「これ違う・・・。」と。
辛いのが食べられないと知っていた彼は、それならしょうがないなと、結局ほぼほぼ口がついてない大盛パスタを、自分のオーダーを完食した後に食べてあげていました。
その時彼は次女ちゃんを咎めなかった。
子がめも選んだけれど、骨があるとは思わなかっただけ。
だけど自分で選んだのだからと言う彼。
次女ちゃんと子がめの状況は違うの?
それに、次女ちゃんは年齢的に文字もしっかり読めて、辛いマークを見落としたのは完全に次女ちゃんの落ち度。
対する子がめは文字はまだ完璧ではないし、フィッシュアンドチップスはそれに骨があるなんて私も思っておらず、責められるとすればそれを確認しなかった私。
そして、更に付け加えるならば、その外食時に結局自分の食べ物がなくなった次女ちゃん。
みんなで取り分け用にオーダーしていたものもあったのでそれを食べていましたが、食べ盛りで足りません。
それをわかっている彼は、自分は残飯処理に苦しみながらも、新しく他にオーダーして良いと促しますが、それは悪いからとオーダーしない次女ちゃん。

次女ちゃんは基本的に自分も自分も!と強く思う割に、少し不思議なタイミングで親である彼に対して遠慮を発動する時がありました。
でも、物欲しそうに、長女ちゃんのパスタを眺めると、「長女ちゃんは自分のせいでしょう?それに、欲しいならオーダーして良いってパパに言われてたじゃない。」と。
ド正論。
そして、子がめの分も眺めているけれど、子がめは気づいておらず、それに私が気づいているからと言って、次女ちゃんが子がめに直接言っているわけではないし、子がめの分をあげることはできない。
結局、私が三分の一程度口を付けていた私の分をシェアする?と聞くと、にっこりお皿を受け取る次女ちゃん。
シェアで少し取り分けて戻ってくると思っていたのですが・・・結局その私のお皿は返ってきませんでした。
私が自分で言えば良いのだけれど、その空気、言えないでしょう!ここは彼の出番でしょう!と思ったけれど、何も言わなかった彼。
それこそ指導すべき時だったのに、なぜ、今、子がめにだけ。
不平等極まりない、とさすがに後で、彼にこの時の外食時の例を出して話をしました。
すると彼も、確かに。
子供たちを不平等に扱っている部分があるな・・・と。
そんなつもりはなかったようなので、知らず知らずのうちに実子を優遇してしまう・・・やはりステップファミリーの難しさを感じました。
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