もしものことがあったかも
お付き合いをはじめて少し経ち、子がめと彼のやり取りも問題無いと感じ、彼の子供たちとも会うようになっていました。
彼のおうちでみんなで遊んだ帰り道、子がめがあわや交通事故にあってたのかも、というような出来事がありました。
それに責任を感じて泣いてしまった長女ちゃん。
母失格だなと感じましたが、
そんな彼女の姿を見てその時、間違ってないな。
彼の子供がこんな心の持ち主で良かった。
と思ったと記憶しています。
記憶している、というのはもしかしたらその時、そうだと思い込むようにしていたのかもしれないと、今では思ってしまうから。
長女ちゃんのその心に、良かったと思ったのは確かですが、やはりそれ以上に子がめへの想いが勝っていた気がします。
新しい家族は、もしかしたら子がめを危険に晒す機会を増やしてしまうかもしれない。
それを押し殺して、必死に新しい家族を持つということを、私自身必死に受入れようとしていたと思います。
自分の中の優先順位
駅まで送っていくよ、とみんなで歩いていくことになりました。
その頃特に世の若い女性、「お姉さん」が好きだった子がめは長女ちゃん、次女ちゃんに手を繋いでもらってルンルン。
それを彼と私は後ろから微笑ましく眺めて駅に向かって歩きました。
途中の交差点でふいに振返った子がめ。
私の姿を目にし、急にお姉ちゃんたちの手を放して私の元に走ってきてしまいました。
その瞬間全てがスローモーションに見えました。
私の目には私の元に走ってくる子がめの笑顔が見えていますが、私の顔は酷い顔をしていたと思います。
左右の確認なんてせずに子がめに一直線で走る私。
全てがゆっくりで、全速力のはずなのに、なかなか子がめに手が届かないと感じました。
結果、車通りもなかったために、子がめは無事に私の胸の中へ。
抱きとめてもらってニコニコしている子がめに、交差点で走り出してはダメなこと、つないだ手を放してはダメなことを伝えました。
本当はそのまま私が手を繋ぎたかった。
心配で心配で、子がめをすぐ近くに引き留めておきたかった。
でもそんなことをしたら娘ちゃんたちはどう思うだろう。
これから家族になろうとしているのに、やっぱり私には子がめが一番か。子がめだけが大切なのか。
と思わせてしまうのではないか。
そんな想いがよぎり、子がめに念押しし、娘ちゃんたちにも手を放しちゃうかもしれないからぎゅっと強くにぎってね、と伝えて、元のポジションに戻りました。
子供たちが笑顔で話しはじめたのを確認し、静かに号泣してしまった私。
そんな私に、俺が(子がめの元に)行けなくてごめんと抱きしめてくれた彼。
その時は感じませんでしたが、今思えばやっぱりそういった違いが出てしまうものなのかもしれないです。
実子と連れ子。
危機に瀕したのが彼の子供だったら、彼は迷わず飛び込んだ気がします。
その時は彼にも申し訳ない思いをさせて、本当に自分が母として未熟だと感じ、ひたすらに猛反しました。
その時はじめて気が付きましたが、ずっと2人で一緒にいたので、子がめが交差点を挟んで私と別れる、なんて状況を子がめに経験させたことがなかったのです。
子がめの視界に私がいながらにして、子がめが私に手が届かない状況、というものがなかった。
いつも子がめの手をひくのは私。
なので子がめがどこかに走り出してしまうこともなかった。
もちろんじじばばはいましたが、新しく家族ができて、子がめが家族メンバーの中での私をみた時、子がめの行動も変わってくる。
その想像力に欠けていました。
更に、彼の娘ちゃんたちを年齢や状況から問題ない、と確認せずに進めていってしまったのがよくなかったと思います。
中学生、小学生の高学年なら子がめの手はしっかりと握っておかないといけないってわかってるよな。
特に長女ちゃんは次女ちゃんの相手もしてきているわけで幼い頃のことを覚えているよな。
中学生、小学生を育てたこともなく、2人のことなんて私がわかるはずがないのに。
それに4歳児がかわいらしく見えて、瞬間的に時に思いもよらない力を発揮するのは、私も母になってはじめて知ったのに。
そして何よりそれをじゃあ手をつなぐ直前に、注意事項!と二人に伝えたら彼の家族全員に心象が悪くなるよな、
全てはそこだと思います。
私が良い顔をしたかった。
私が嫌われたくなかった。
そのせいで子がめを危険に晒し、長女ちゃんを傷つけ、彼にも考えさせてしまった。
優先順位や譲れないもの、そういった整理が私の中でできていなかったし、とにかく準備不足でした。
彼の家族への遠慮
私の中でとてもショッキングな出来事ではありましたが、幸いにも子がめには何事もなかったことにとても感謝しました。
駅について長女ちゃんが私のところに来てごめんなさいと謝ってくれました。
謝ってほしいと思っていたわけではない、でもそう思ってくれるような人とこれから家族を目指していると思うと何だか間違っていなかったと思えました。
これからはこんなことが起きないように気を引き締めてと自分では誓いましたが、それでも遠慮がたくさんあったのだと思います。
具体的な改善策など出せなかった。彼に、彼の家族に、話し合おうと言えなかった。
本当にぎこちなく、新しい家族に向けて進んでいました。
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