野犬に追われた母(私)のお話

小話
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先日、帰宅時のお話です。

普段私は電車ユーザーで、実家から最寄り駅までは自転車で通勤しています。

その通勤路でのお話。

最寄り駅までの道は、普通の車道もあるのですが、私はどうも自転車で車と同じ道路を通行することが苦手です・・・

来年の4月からというか、今でもそんなこと言ってちゃいけないのですが・・・

自転車ゾーンが区切られていれば、もちろんそこを走行しますが、なるべく車と同じ道路は走りたくない・・・

そこで考えたのが、車通りの少ない田んぼの中の道を行くというもの。

実家が田舎にあるもので、おうちは田んぼに囲まれています。

道はかろうじて舗装されていますが、かろうじてレベルなので、そこを利用するのは、その田んぼエリアにおうちがある人や、犬の散歩程度・・・。

少し遠回りにはなるのですが、なるべくその道を通るようにしています。

私の帰宅は夕方で、季節的に日は落ちていて・・・

そして田んぼの中なので当然街頭がないのです。

その日、自転車のライトを頼りにスピードは緩めで走っていると・・・

ライトの先に黒い物体が!!

ちょうどハンドルをきるところだったので、一瞬の出来事でした。

・・・何か黒い物体が田んぼの脇のしげみをくんくんしていたような。

しっかりと見ることはできませんでしたが、きっと大きさや形からわんちゃんだろうなと思いました。

しかし、こんな時間、周りには人もいなかったです。

野犬!?

日本で野犬に会うことなんて珍しいな~なんて思いながら、そのまま自転車を走らせていると・・・

チャッチャッチャッチャッ

爪の音・・・?

実家でも犬を飼っていたことがあるので、犬が道路を走る時の、爪がひっかかる音を覚えています。

それが今、聞こえる・・・。

ふと自分の足元をみると・・・

ハッハッハッハッ

連いて来てるーーーーーーー!

暗闇から黒い中型わんこが、私の自転車を伴走していました。

恐怖。

犬は好きなのですが、海外にいた時に野犬をみて、野生の犬に恐怖を覚えるようになった私。

しかも中型犬。

怖いーーーーー!

ペースをあげてペダルをこぎました。

しかし、彼もペースをあげてついてくる!!!

その時全速力ではなかったのですが、それはやはり、その子は野犬ではなく、たまたまどこかのおうちから抜け出てきてしまったわんちゃんで、遊んでほしいだけなのかも!?全速力で怪我させちゃったら・・・なんて恐怖の中で考えてはいたからです。

大好きなわんちゃんは傷つけたくない・・・。

しかし、彼の運動能力に、そんな情けをかける余裕がなくなった私。

ペースをキープしつつ、時に私に更に近づいてくるのでもう怖くて怖くて・・・

このまま足をがぶっとされたらどうしよう・・・

頭の中にはバイオハザードのゾンビ犬・・・。

結局、全速力でペダルをこぎました。

それでもしばらくついてくる彼。

わんちゃんの運動能力って凄いですね・・・。

しかし、電動自転車にプラスして本気で恐怖の私の脚力が勝り、彼はついに諦めてくれました。

爪の音がついてきていないかビクビクしながらおうちに到着し、玄関を締め、真っ先にその話を母(ばば)にしました。

母(ばば):「あぁ、黒いラブラドール?あそこらへん飼っている人いるよね。たまに外に出てるって聞いた。」と。

たまに外に出るって・・・わんちゃんは好きだけど、飼い主さんのマナーは色々だなぁと思いました。

それにしても本当に怖かった・・・。

最近テレビで熊に襲われる人のニュースが毎日流れていたのもあり、エリア的に熊はでないし、わんちゃんとわかってはいたけれど、これが熊なの!?私もかじられちゃうの!?とだいぶてんぱった親がめでした。

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