その日は着実に、でも突然にやってきた
新しい家族での5ヵ月目に入った頃。
彼も私もお互いに、そして子供たちもそれぞれ多かれ少なかれストレスはたまっていたと思います。
2つの家族が、1つになったわけですから当然のお話。
これで良かったんだ、と思い込んだからそう思うようになったのか、それとも実際これで私もほっと安心したのか。
…それでももっとできたのではないか。
「家族」とは皆再婚かどうかに関わらず、そういう壁を乗り越えて一緒にいるのではないか。
だとすると、彼と私の絆がそれまでだったのか。
実際にお別れしてしまったわけで、今更どうこうできるわけではないし、するべきでもないけれど、お別れから約2ヵ月。未だに考えます。
一週間前
お別れ日の1週間ほど前に、実は彼と私の間でお別れだね、と話しは一旦ついていました。
私としては、たくさんすがった。
適切な表現かはわからないですが、他に合う言葉が思い浮かばないのでこの表現で。
今となっては彼がどんなことを想っていたのかわからないですが、一緒になって3ヵ月目の頭から家族で大きな問題を共有することになっていました。
それぞれの家族が一緒になるということ。
家族メンバーの全員が良いことだけではなく、辛いことも経験することになる、とは理解してのスタートでしたが、きっと、想定が甘かったのだと思います。
特に私。
一番想定が甘かったのかもしれません。でも、一度やると決めたらやり遂げるまで諦めない私。
最後は意地と気合と根性だったと思います。
ただし、想定が甘かったこともありますが、客観的に見て現実が思った以上に過酷な状況だったこともあると思います。
話は戻って一週間前。
というよりもその時期。
大きな問題からの、その問題に「母」として対処にしなければという思いと、今となっては実際にそんな技量のなかった私がぐちゃぐちゃになり、私の情緒がとても不安定でした。
母として、子供たちにそんな姿は見せまいと日々を過ごしていましたが、彼にはそんな私のオーラがはっきりと見えていたし、私も彼にはそんな私をぶつけていました。
何度頑張ろうと思っても、その私の決意をポキっとへし折られるような感覚が続き、私の気持ちが小さく爆発。
彼の性格を考えると確実に言ってはいけないことだよな、と思うことを口から流れ出るのを止めることができず、彼に気持ちをぶつけ、彼が黙り込み、お互いが個々で考えながら日々をやり過ごしていました。
彼も私もなんとか家族としてやり遂げたいのは同じ。
でもきっと難しいと思っていたのも同じ。
彼と私の話し合いの中で、お互いに認識している問題と、これからどうしていくべきか、どうしたいか、ということを伝え合っている間に、ふと、彼の一緒に居たいと思ってくれている気持ちは理解している。でも、彼の話を聞いて、彼がもはやそれが叶わないということを彼の中で理解しているように感じました。
それを伝えると、彼も何か自分の中で気が付いた様子。
話し合いの序盤ではどう一緒に頑張ろうかという話でしたが、風向きはごろっと変わり、彼の中で終わりにしようという気持ちを固めてしまいました。
彼の真意を指摘してしまったのは私でしたが、それでも家族で頑張りたかった私。
一生懸命、全力で気持ちをつなぎ止めようと話をしましたが、これで本当にダメなんだな、と感じ、私も「お別れ」を受入れました。
話し合いの次の日の朝、彼の雰囲気が少し戻っていて期待してしまいましたが、自分のためにも期待はしてはいけないと言い聞かせながら出勤。
子がめのこともあり、じじばばに実家に置いてもらうかもしれないと一方を入れました。
結局その日家に帰ると、昨日の私の熱意が彼を動かし、ぎこちなくですがそのままの生活は続くことになりました。
お別れ
そんな生活を続けていた頃、じじばばは私から一方をもらってきっと色々と考えている。大人としてこの状況は当然良いことではない、と彼と私の両親へ今の状況を報告することにしました。
一旦はお別れと思ったが、何とか踏みとどまったこと、これからも頑張ること。
それを伝えると、逆に両親から想いを伝えられました。
すると、それを聞いていたあたりからなんだか私は居心地が悪い。
思えば、始まる時から彼の表情や姿勢が気になってしまう。
じじばばへの報告が終わった時、彼は場を和ませようとしてくれていたのかもしれません。
それでもきっと私は色々なものが相まっていっぱいいっぱいで、直後の彼の言動に、彼と私の「ちがい」の様なものを感じてしまい、お別れした方が良いのかな、と伝えました。
私としては彼の気持ちも確かめたくて質問をしたつもり。自分の中のモヤモヤがあって、お互いに気持ちのすり合わせをしてすっきりと進んでいきたかったのです。
しかし、彼の中で何かが動き、その後もう話し合いはしてもらえませんでした。
そして、彼は一人になるために家を出ていきました。
いつもならしっかりと話し合ってすぐに仲直りしたい私。
でもその時、私の中で、もう彼のことを追いかけることができませんでした。
ちょうど次女ちゃんがリビングにいて(彼と私は別室で話し合っていました)、出ていく父を眺めてから(彼は少し集中して仕事をしたい、と車の中で作業をすることが普段からありました)「どうしたの?」と私に投げかけたけれど、その時の私は首を横に振るのが精いっぱいでした。
次の日も平日。
朝、家族のためにオムライスを作り、子がめを起こす前に彼と話をしようと駐車場に向かうと(彼が一人で考えたい、と駐車場の車の中で過ごすことは何度かありました)、そこには何もない。
電話をして、近所には居るということだったのでご飯を作ったことを伝え、その日一緒にこなすはずだった予定を確認すると、彼が一人でこなす、と言われてしまったので、いつもどおり出勤しました。
お昼頃、彼からその日こなすはずだった予定の報告LINE。
そして彼の子供たちにお別れすることを伝えたという内容のLINE。
何も返信できませんでした。
やはり、むずかしかったので、急だけれど今日から実家に戻らせてほしい、とじじばばに連絡すると、一度一緒になると決めたのだからしっかり彼と話すためにも一度そちらの家に戻りなさい、と。
確かにそうだよな、と子がめを連れて家に帰りました。
でも、そこにはもう私たちの居場所はありませんでした。
彼はもう私の知っている彼ではありませんでした。
次の日からすぐに必要な荷物をまとめ、夜になっていたこともあり、お願いして彼に実家まで子がめと私を送ってもらいました。
幸せな気持ちで何度も一緒に通った道を、無言でかなりのスピードで運転する彼。
ただただ子がめの手を握って、大丈夫だよと伝えていましたが、その時子がめに守ってもらっていたのは私だったと思います。
そこから彼との少しのLINEのやり取りで、3,4ヵ月程度をかけ、彼が毎週末仕事終わりに実家に寄って運んでくれた私たちの荷物は、たったの3,4日で家の前に置き並べられ、戻ってきました。
終わりはこんなものか、とただただ置かれた荷物を詰め込んだ実家の部屋をぼーっと眺めました。
夜中や明け方に目が覚めると、季節とは逆行して足が冷たい。
正直、彼の変貌ぶりが受け止められず、何が起こったのか理解できずに過ごしました。
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