家族、はじめての週末
新しい家族になってはじめての週末がやってきました。
普段は予定を前もって決めるタイプの私ですが、さすがに新生活で子がめも私もきっと不測の事態もあるだろうと予定は詰め込みませんでした。
その日、長女ちゃんは朝から部活。
次女ちゃんはお昼から用事。
なので、彼と子がめと私で、私が気になっていたヨシタケシンスケ展を観に行くことに決めました。
「家族」のお出かけ
はじめての「家族」のお出かけだ!
おうちを出る時から彼が「パパ」としてずっと隣にいてくれる!
そんな想いと、気になっていた展覧会とで私は明らかに浮かれていました。
子供たちの気持ちを考えて、彼も私もお互いに「パパ」、「ママ」を無理強いすることはなく、家族の中ではそんな役割、という形に。
そして、それからのことは子供たちの気持ちに合わせていこう。
ほんわかと彼とそんなお話をしていました。
しかし、彼、子がめ、私で外に出れば、10人中9人は確実に「家族」思ってくれるでしょう。
いつも子がめと2人でのお出かけだった私は、彼、子がめ、私で会っていたお付き合い期間も、特段のおしゃれをすることもなく、パンツスタイルにリュックサック。
「ママ」全開の動きやすい、機能的な恰好をしていました。
憧れていた、街で見かける家族。
それはみんなおしゃれをしていて、特にママがスカートをはいたり、おしゃれなバッグを持ったり、素敵なアクセサリーを付けていたり。
展覧会だし、彼も私におしゃれをしてほしいと言っていたし、彼好みのおしゃれをしよう!
ルンルンの私は早く起き、一人準備を進めました。
ママあるあるかもしれませんが、自分の準備をするならば、子供が起きる前。
そして、子供が起きたら子供の準備。
しっかり出発予定時刻の前に準備は整いました。
後は彼の支度が整うのを待つだけと、次女ちゃんと子がめとテレビを眺めていると彼が一言。
「次女も行くか?」
お昼から用事があるので一緒には行かないと聞いていた次女ちゃんを突然誘った彼。
出発予定時刻の15分前。
次女ちゃんはまだ起きたままのパジャマ姿。
なぜ今。
3人だけで行きたかったわけではないのです。
事前に決めてほしかっただけ。
そこに彼のためにと彼好みに乙女全開で一生懸命に準備した私の気持ちが、なんだか急に行き場をなくしてしまいました。
次女ちゃんはお昼から用事があるのだから、だとすればみんなで展覧会に向かうけれど、彼は次女ちゃんと一緒に先に帰るから、復路は子がめと私の2人きり。
後からの彼との話し合いでそれは完全に私の早とちりだったというわけなのですが、
その思考に至った私は、急いで部屋に戻り、ひらひらワンピースから、パンツへ。
おしゃれな小さめレザーバッグからリュックサックへ。
きらきらアクセサリーをはずして、すっかりいつもの、でも少しお化粧ばっちりの私が完成しました。
幼い子供と一緒にお出かけをすると何かとしゃがむことが多いです。
話かけてくれた時に目線を合わせる。
一緒に作業をする。
抱っこをせがまれて抱え上げる。
何かこぼしてしまって拾う。
もう一人、大人の手があれば、はいているスカートのすそをまとめて床に付かないようにスマートに対応できるかもしれません。
でも一人となると、そのすそをまとめる一瞬の遅れが惜しい。
すそなんか持たずに両手をあけておきたい。
顔だけバッチリ感が虚しさを誘いますが、5分程度で元のリビングに戻った私。
でも次女ちゃんは一ミリも動いていない、パジャマ姿。
出発予定まで後10分。
今から考えれば、次女ちゃんを誘った時点で出発予定は変更されていたのかもしれません。
それでも事前情報の次女ちゃんはお昼から用事ということに変更は無いわけで、お尻は変わらない。
であればせっかく都内に出るし、展覧会を楽しむために2、3時間は欲しい。
つまり、私の欲があふれていたんだと思います。
家族のおでかけができれば良い。
展覧会に行ければ良い。
彼の前でおしゃれができれば良い。
そんな風に思うことができていませんでした。
結局、もはや出発時刻に次女ちゃんは行かない、と。
それまた、え。恰好も装備もアジャストしたのに。と正直思ってしまった私。
でも、さすがに私も理解していました。
自分が誘われたことで、ダッシュで着替えをすませた私を見て、自分が行っては行けないと次女ちゃんに感じ取らせてしまったのでしょう。
今ならわかる。なんて余裕のない母。
実はこの日のことも、一緒になってから時間がたってもっともっと後の話と記憶していました。
しかし、記録をみて、まさかのはじめての週末。
一緒にいた期間は本当に余裕がなかったんだと思います。
次女ちゃんは変わらずテレビを眺めていましたが、それでもこんな状況で次女ちゃんを置いてお出かけはできるわけがないなと、もはや気持ち悪くなったバッチリメイクをオフしてリビングに戻りました。
2時間の努力は10分で無かったことに。
ただし、そこに出発しようと合流した彼が私の姿を目にして明らかにもの言いたげな眼差し。
彼からしたら、次女ちゃんと傷つけて、それでも私の気持ちを汲んでお出かけしようとしていたのに、そんな私もすっかり行く気をなくしている。
そんな淀んだ空気の中、お互いにその気持ちを話せないで、それでもみんなただただ一つの同じテレビを見つめている。
彼の視線に色んな想いがあふれ、私は部屋に行って一人で泣いてしまいました。
家族のお出かけがしたかった。
彼のためにしたおしゃれを喜んで笑顔になってほしかった。
でもなんで出発前に予定を変えたの、と彼に。
なんで行くなら行くとすぐに準備をしてくれなかったの、と次女ちゃんに。
色々な想いはありましたが、小学6年生の子供に、母役割である私がそんなことを思うのは、やっぱり私が未熟でした。
結局彼が部屋にきて、ケンカに。
しかし、彼の話を聞くと、朝から準備をする私たちをみて次女ちゃんがさみしそうだったと。
でも次女ちゃんは自分の予定があったから行かないと自分で決めていたじゃない!と思ったけれど、
確かに次女ちゃんの様子を確認できていなかった私。
反省。
一緒に行くかと聞いたが、次女ちゃんについて彼は帰る気はなく、時間になったら次女ちゃんを一人で電車で返そうと思っていたと。
今までをみると次女ちゃんを一人で電車で返すなんてできないじゃない!と思ったけれど、
彼の真意を確認せずにつっぱしって軌道修正した私。
反省。
15分前でなかったら余裕をもって対応できたかもしれない。
彼にも意図を確かめて、次女ちゃんの気持ちも確かめて。
とにかく余裕がなかった、に尽きます。
子供たちの関係性
後からわかる話ですが、その頃の次女ちゃんの状況をもう少しでも詳しく事前情報でもらえていたならば、対応は変えられていた気がします。
私が次女ちゃんとこうしたい、こうしよう、と接するのではなく、事前情報によって「対応を変えられた」と思うのは、対応を変えなければならない状況に次女ちゃんがいたと、思っているから。
むしろ関係性も、対応も全て変えなければならなかった。
過去を振り返った今でもこれについてはそう思います。
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